このコラムでは、毎日の子育てでペチャットを上手に使う方法の
ヒントを家族心理学の専門家に伺いました。
お世話される側から、
お世話する側へ。
ペチャットを子どものお世話に使っている人も多いかと思います。
しかし、ペチャットを使う時は、いつもの親の立場から子どもに話しかけるのではなく、子どもの“立場”を変えることが大切です。
今回は、家族心理学の専門家の戸田先生に、そんな“立場”についてのお話をお聞きしました。
子どもが誰かのお世話をする側になると、
自主性や社会性が育まれる。
親子の間では、お世話する親とされる子どもと立場が決まっていますよね。
ですから、親がペチャットでセリフを使うときも、せっかくいろいろなセリフが用意されていても、ついつい子どもをお世話する言い回しを選びがちなのではないでしょうか。
しかし、ときには子どもが誰かのお世話をする側になると、たとえ上手にできなかったとしても、相手の気持ちを考えたりお世話される側では得られない経験をすることができます。
たとえば、弟や妹ができると子どもが急にしっかりすることがありますよね。このような経験は、子どもの自主性や社会性を育てることにつながります。
――幼い子どもでも、弟や妹など年下の子が困っていると、「大丈夫?」と声をかけたり、助けてあげようとしますよね。
そうですね。ただ、弟や妹がいない場合や、面倒をみるような関係性ではないこともあります。なので、いきなり子どもをお世話をする側の立場にする、というのは難しいですよね。
ペチャットの「あまえる」という
カテゴリーで、
子どもがお世話する
疑似体験ができる。
そんなときに、ぬいぐるみとペチャットを使ってみるのもひとつの方法です。
ぬいぐるみは、連れて歩いたり、抱きしめたり、自分より小さく守るものとして子どものそばにありますよね。だから、子どもが「お世話をすること」の擬似体験にぴったりなんです。
――たしかに、子どもがぬいぐるみにご飯をたべさせたり、寝かしつけたりしているという話を聞くことがありますし、自然とお世話をしていることも多そうですね。
それに、ペチャットには「あまえる」というセリフカテゴリーがあるのですが、「寝れるまで何かお話して」「お兄ちゃん・お姉ちゃんすごいね!」といった、お世話される立場のセリフが入っています。
それを使えば、ペチャットをつけたぬいぐるみが弟や妹のような存在になって、自然に子どもがお世話する側を体験してみることができますね。
もちろんお世話といっても簡単なものですが、お兄さん・お姉さんの立場になったときの子どもを見るだけでも楽しいですし、たまにはこうしたセリフを試してみると、「知らないうちにこんなに成長していたんだ」なんて発見もあるかもしれませんね。