ペチャットひろば

子育てとペチャット

このコラムでは、毎日の子育てでペチャットを上手に使う方法の
ヒントを家族心理学の専門家に伺いました。

自信と頑張りを育てる
3つのほめ方。

「ほめて育てる」という育児法をよく聞きますよね。
ただ、ひたすらほめるだけでは子どものやる気は出ないですし、どのようにほめるべきか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
今回は、簡単なようで難しい「ほめ方」について家族心理学の専門家の戸田先生にお話を伺いました。

簡単にできてわかりやすい、
「直接ほめる」方法。

子育てをしていると、ほめてあげたいと思う場面がたくさんありますが、実は「ほめ方」にはいろいろな種類があるんです。
今日はすぐ実践できそうな3つの方法をお話ししますね。

まず1つ目は、直接ほめる方法です。親が子どもに「すごいね!」「がんばったね!」と直接伝えるのです。
この方法は、みなさんもよく行っていると思います。

――一番よく行う方法ですね。ただ、ほめなきゃ!と思っていつも言っていると、ほめ方がワンパターンになったり、子どもも「ママ・パパはいつもそう言うけど、本当にそうなのかなぁ?」と疑ったりしないのでしょうか。

そうですね。そんなときは、時々ペチャットを使ってほめてみるのはどうでしょうか。
そうすると、ほめる人が変わるので、「いつもと違う人にほめられた」「親だけでなく、たくさんの人にほめられた」といった感覚が得られます。

――たしかに同じ内容でも、いつもと違う人から言われると大人でも嬉しいですよね。立場も変わるので、言い方も色々と工夫ができそうですね。
他のほめ方も教えてください。

ワザあり!
あえての「間接的にほめる」方法で
信憑性をアップする。

2つ目は、間接的にほめる方法です。「幼稚園の先生が『すごい!』って言ってたよ」のように、「○○さんがこう言ってたよ」と伝言する形でほめます。

この方法では、誰かがほめていたという事実、出来事を伝える形になるので、ほめられた側が否定しにくいというメリットがあります。
更に、子どもと、誰か自分以外の人の関係を良くしたいときにも役立ちます。
「あの人がそんな風にほめていてくれたんだ」と知ると、相手の期待に応えたいという気持ちになりますよね。

――伝達する形だと、直接ほめるときのように「本当かな?お世辞じゃないのかな?」などという気持ちになりにくいので、素直に嬉しく感じやすいんですね。

しかも、これには、伝達した人の印象も良くなるというメリットもあります。良いニュースを教えてくれる人の方が、好印象になりやすいのです。

ただ注意したいのは、ほめる側が嘘をつかないことです。
たとえ直接ほめる言葉を使っていなくても、「○○さんがこう言ってたよ。これってあなたのこういうところが素敵ってほめられたってことだよね」とポジティブな解釈をつけることで、嘘をつかずにほめることができます。

――単純に「すごいって言ってたよ」だけではなく、本当に言ってたことを上手にポジティブに伝えるといいんですね。
この方法で実際にペチャットを使う場合、例えばどんな風にほめることができそうでしょうか?

「ママがえらいねって言ってたよ」「パパは○○ちゃんのこと大好きなんだって!」といつも私たちが子どもに対して思っていること、思ったけれどなかなか言えていないことなどを、このほめ方を使って伝えることができます。
これはペチャットを使うことによって、親が直接ほめていない形をとりつつも、親の本当に感じた気持ちを伝えるので、嘘にもならず、子どもも新鮮な気持ちで聞くことができるでしょう。

――忙しい毎日のなかで、子どもへの気持ちを言うことはなかなかないので、ペチャットを介して伝えられたら、親も子どもも嬉しいですよね。第三者的な立場をつくれる、ペチャットならではの方法ですね。

「自分で自分をほめる」ことができると、
将来、大きな自信につながる。

最後に3つ目、一番トライしてみてほしいのが、自分で自分をほめられるように質問する方法です。
「どうしてそんなにがんばれたの?」「どうやってできるようになったの?」と質問し、それに子どもが答えようと「自分ができた理由」を探して、どう頑張ったかを語ることで、自分で自分を認める・ほめるという効果のあるやり方です。

――他者からほめるのではなく、上手に質問することで、子どもが自分で自分をほめられるようにするんですね。
あまり意識したことのない方法です。なんだか難しそうですね…!

上手に質問するには少しだけ慣れが必要ですが、効果は抜群ですよ。
自分で自分を認めることになるので自信がつきますし、このような質問自体が〝あなたをほめているよ”というメッセージになるのです。

――子どもは質問に答えていくことで、自分で自分を認めて、親も質問をすることが子どもをほめることになるんですね。
具体的には、どのような声がけをすればいいのでしょうか?

この方法のポイントは、子どもの行動や気持ちを掘り下げるような質問を重ねることです。
例えば、こんなやり取りをイメージしてください。

ペチャット「すごい!どうやってできるようになったの?」
子ども「練習したの」
ペチャット「どのくらいやったの?」
子ども「いっぱい!」
ペチャット「大変だった?」
子ども「うん…!」
ペチャット「がんばったねー!」

このように、質問を積み重ねて子どもの努力した方法や内容、大変だったことを教えてもらうのです。
幼い子どもは、自分の体験を説明する力が未熟です。ですから、「どうやったの?」「どのくらいやったの?」などとひとつひとつ質問してあげてください。

「どうやってできるようになったの?」という質問に「わからない」と答えることもあるでしょう。
その時は、「教えてもらったの?」「いっぱい練習したの?」などYes/Noで答えられる質問を重ねていくと、答えやすくなります。
そして、子どもが自分のやったことをしっかり自覚できたタイミングで「がんばったんだねー!」「すごい!そんなの、なかなかできないよー」などと褒めてあげるのがいいでしょう。

――親が子どもに何か聞いても、うまく説明できなくて黙ってしまうこともありますよね。場面や気持ちを想像してあげて、Yes/Noで答えられる質問をしていけばいいんですね。
ペチャットの「ほめる」カテゴリーを使えば、簡単に試してみることができそうです。

自分で自分をほめるのは、大人でも苦手な人が多いものですが、小さい頃からそういう習慣を育むことができれば、大きくなってもその自信が力になるでしょう。

――大人でも、自分が一番、自分にダメだししたりしてしまいますもんね。

そうですね。また、結果ではなく努力・やったことをほめてあげるということも大事です。
親が成果しかほめないと、子どもは成果を出さないとダメなんだと思って、自分を認めてあげられなくなるという例もあります。
ぜひ自分で自分の行動をほめることができるようになってほしいと思います。

人間は、ほめられてうれしかったことは繰り返しやろうとするものです。
ペチャットも上手に活用しながら3つのほめ方を使って、子どもの頑張りを引き出してあげてみてくださいね。

話し手を変えると、子どもの反応が変わる。話し手を変えると、子どもの反応が変わる。

お世話される側から、お世話する側へ。お世話される側から、お世話する側へ。

“つい言ってしまう”を減らす方法。“つい言ってしまう”を減らす方法。

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監修

本記事は、心理学をベースに、人と人のコミュニケーションの設計と適切な関わり方を提案する会社Sollationに所属の、専門家の先生方に監修いただきました。

  • 椎野睦

    椎野睦

    産業能率大学
    情報マネジメント学部
    准教授博士(心理学)

  • 戸田さやか

    戸田さやか

    臨床心理士
    心理療法の中でも
    ブリーフセラピーを
    得意とする

  • 森川友晴

    森川友晴

    日本ブリーフセラピー協会
    千葉支部長本部トレーナー
    中学校、高校の
    スクールカウンセラー

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