ペチャットひろば

子育てとペチャット

このコラムでは、毎日の子育てでペチャットを上手に使う方法の
ヒントを家族心理学の専門家に伺いました。

親子の距離感の調整役に。

些細なことで子どもに怒ってしまったり、大人気ない行動をしてしまったり、つい感情的になってしまうことはないですか。
それは、親子の距離感が近すぎるのかもしれません。
今回は、普段あまり意識することの少ない、「親子の距離感」について家族心理学の専門家の森川先生にお話を伺いました。

新しい家族の一員が加わると、
親子のコミュニケーションが変わる。

前回のお話で、ペチャットを使うと、ぬいぐるみを家族の会話に参加させることができるというお話をしました。
このことは、ただ会話のバリエーションが増えるだけではなく、実は家族心理学から見てもいろいろな使い方ができます。

ペチャットを使って擬人化されたぬいぐるみは、家族の一員のように振る舞うことができます。
つまり、第三者的な新しい存在を、家族のコミュニケーションの中に加えることができるのです。
第三者的な存在が加わると、親と子だけになりがちな家庭の中の関係性に変化をもたらすことができます。

――ペチャットが新しい家族の一員になることで、親子のコミュニケーションも変わることがあるのですね。
どんな変化が起きるのでしょうか?

まず、家族関係を親子の距離感という観点から見てみましょう。
距離感はコミュニケーションの仕方に現れます。
例えば、親と子どもが近すぎてしまうために感情的にぶつかったり、逆に距離感が遠すぎてしまって声がけしにくい、関わりにくいといった場合がありますね。

親子の関係性は、子どもの成長や、その日の気分、出来事などによって日々変化しています。
うまくいっている時はいいのですが、ときには、もうちょっと離れて冷静になってみたり、もうちょっと近づいて親密なコミュニケーションをしたいなど、距離感の変化が必要な場合もありますね。
いきなり自分で距離感の調整をするのが難しいときには、ぺチャットを使ってみるのもひとつです。

ペチャットを使って
親子の距離感をちょっと調整する。

――第三者的な立場から関わってみるんですね。具体的にはどんなふうに使えるのでしょうか?

例えば、親が子どもを強く叱った後は、お互い気まずいというか、どう話しかけようか迷うことがありますね。
話しかけづらいということは、親がまだ感情的になっている可能性があります。これは距離感が近いということです。
そんなときは、少し子どもと距離感を取って、冷静に関わる必要がでてきますね。

そこでペチャットを使うと、まず、自分で何か言うより時間がかかります。親としては、自分の伝えたい言葉や感情を整理するための時間を持つことができます。
すると怒りなどの強い感情のピークをやり過ごすことができ、より落ち着いた対応を選べるようになります。
また、ぬいぐるみのセリフになるので、自然といつもの自分の調子ではない言葉を選ぶことになります。

――まずは親がわの、子どもへの距離感が変化するのですね。子どもにとってはどうでしょうか?

子どもの距離感も、ぬいぐるみ相手だと、親に対するものとは違ってきます。
叱られた後というのは子どもは親に反抗的な「ママ(パパ)だって!」という気持ちや、防御的な「私は悪くない」といった気持ちになりやすいですよね。
ですが、ぬいぐるみに対しては対象が変わるため、反抗的・防御的な対応が出づらくなるのです。

――このとき、親が操作していることを子どもがわかっていたら、効果はなくなってしまうでしょうか?

たしかに、親が操作していることがわかっていると、上記の反抗・防御のような反応が出やすい可能性はあります。そんな時は「意味づけ」をするのが効果的です。
「ママ(パパ)は、○○ちゃんとケンカしても早く仲直りしたいな。
そんな時は××(ぬいぐるみの名前)から話しかけるからね」などと、親がペチャットを操作していることに、ポジティブな意味をつけてあげるのです。

そうすると、叱られて機嫌が悪くなったり、凹んでいた子どもが、驚くほど素直に反応することがあります。
また、ぬいぐるみが子どもに話しかけたことをきっかけに、その話題で子どもが親に話しかけたりする場合もあります。

――親が直に何かするのが難しいときに、ペチャットが仲介役になってくれるんですね。
逆に、距離感が遠い場合の調整にはどんなものがありますか?

例えば、忙しくてほとんど家にいないお父さんを例に考えてみます。
子どもと接したいけどきっかけが難しいという場合、お父さんと子どもの距離感が遠いということになります。こんな時、お母さんがぺチャットを操作します。
例えば、ぺチャットから「お父さんが暇だなぁって言ってたよ」と子どもに話しかけてみると、
それをきっかけとして、子どもからお父さんに話しかける場面がうまれるかもしれませんし、お父さんが「そうなんだ。暇なんだよー」と話しかけてもいいですね。
他にも、きつく叱ってしまったときや、しばらく構ってあげられなくて子どもが不機嫌になってしまったときなど、ちょっと距離を感じるときにぺチャットから会話を始めてみてください。

こんな風に、ぺチャットによって「家族の一員」が増えたことで、今までとは違った家族のコミュニケーションを作っていくことができるかもしれません。
ぜひ、楽しみながら試してみてはいかがでしょうか。

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監修

本記事は、心理学をベースに、人と人のコミュニケーションの設計と適切な関わり方を提案する会社Sollationに所属の、専門家の先生方に監修いただきました。

  • 椎野睦

    椎野睦

    産業能率大学
    情報マネジメント学部
    准教授博士(心理学)

  • 戸田さやか

    戸田さやか

    臨床心理士
    心理療法の中でも
    ブリーフセラピーを
    得意とする

  • 森川友晴

    森川友晴

    日本ブリーフセラピー協会
    千葉支部長本部トレーナー
    中学校、高校の
    スクールカウンセラー

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